お掃除します。

掃除をする日々、また掃除に対して思うことなどを綴ります。

断捨離あるある「過去の自分と再会」

たくさんある料理本、最近は全然見ていないので処分しようと思い、
ペーパーゴミの日用とメルカリ用と分けていました。


しかし最近料理に興味を持つようになった娘が何冊か欲しいと選んで、
その中にこの一冊が入っていました。

この本、最初のページに肉じゃがの作り方が載るような家庭和食料理の基本を抑えた本で、私も久しぶりに開いてみました。


購入したのは23歳のときなので、丁度30年前です。


今の料理本のように映える感じのものではないのですが、
なんというかどっしりした安定感を感じる一冊で、
もう見ることはなくなってしまっても、捨てる気にはなれず、
ずっと本棚にありました。
娘が選ぶのも納得できる、「胃袋をつかむ」タイプの料理本です。


この本は当時働いていた職場で、出入り業者の本屋さんが、
若い女子社員に向けて「そろそろ結婚する年でしょ? こういうの読んどいたほうがいいよ」と、
今なら社会的制裁をくらいそうな発言をしながらセールスしてきたものでした。


私は当時から、こういう発言に「けっ」という態度を隠すこともないような可愛げのない人間でしたが、
観ていると無性に料理が作りたくなる感じがしたので、
「お勉強」と思い買いました。


そのとき購入しなかった同僚が、私の買ったその本をペラペラ眺めながら、
「いくつか今度お兄ちゃんに作ってあげたいので、貸してほしい」と言ってきました。


え?ずうずうしい・・・と思ったけど、断ることも出来ず貸してあげると、
後日、お兄ちゃんにというのは嘘で、同じ職場で一人暮らしだった男性社員に作ってあげていたことが判明しました。


けっこうイケメンで、ちょっとモテる人でした。
彼女は車通勤だったので、仕事の後に待ち伏せて「送ってあげる」と言い、
その男性社員の家にまんまとあがりこんで家庭的な手料理を振舞うことに成功したのです。


しかもその甲斐あって、なんと一年後には結婚してしまいました。


貸さなきゃよかった(笑)・・・


別のその男性社員が好きだったわけでもありませんでしたが、
なんだか失恋したような、そして少々結婚に対して焦り始めてきた頃でした。



以上の話しを、この本を眺めながら娘に話したら、
昔の少女漫画か!と笑いながらも、
「いま、その本を自分の娘が見ているって不思議じゃない?」と言われました。


確かに。


あの頃は付き合っている人もおらず、結婚する気もなく、仕事も辞めたいのに貯金もなく、先が見えないし、自分に自信もないしと行き詰まりみたいな状態でしたが、
その頃に購入した嫁入り道具みたいな料理本を、当時と同じぐらいの年齢の自分の娘が手にとる日が来るなんて。
焦らなくても大丈夫と当時の私に言ってあげたい。
いや、焦ったからこそのこの未来か。


焦ったからこその良いも悪いも含めて(良い→娘、悪い→夫)。

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